2011年12月31日土曜日

路辺が子を育てる


5つめのアムジャド先生の動画のご紹介。

しかりつけた子供に、「あっちに行ってろ!」「出ていけ!」という親の罰の言葉が招く災難についてです。
とくに、家の外に追い出してしまう場合…

どうぞ。
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お父さんが仕事を終えて、買い物してから帰宅したようです。


お母さん:あら、ただいまの挨拶もなし?

お父さん:こんなに重いものを運んで帰ったんだぞ。挨拶する余裕なんてあるわけないだろ。

(息子が家の中を走りまっているのを見て:)こら!おまえ静かにしろ!遊ぶのはもうよせ!

お母さん:お願いしておいたもの、買って来てくれた?

お父さん:何言ってんだ。じゃあ俺が手に持っているこの袋は何に見えるんだ?遊んでるとでも思ってるのか。

お父さん、疲れているようですね…家に帰ったらさっそく奥さんにこまごまと質問され、息子は大声出して走り回っています。イライラしているのが分かりますね。

息子:わーいわーい!(ボールを蹴って遊んでいる)

お父さん:こら!止めろと言ってるだろう!怒るぞ!


ボールが花瓶に当たって、落ちて割れてしまいました。

お父さんは息子の首元を掴んで罰として、家の外に追い出してしまいます。


幼い息子は家の外に放り出されたことで、さまざまな危険に晒されることになります。

その一つが・・・悪友との付き合い・・・


ドアの前でしくしく泣いている息子に、怪しい男の子が近づきます:

あれ?追い出されたのかw。
心配することないぞ。大丈夫。俺についてこい。

息子:どこに行くの?

怪しい子:いいから。俺についてくればいいよ。いい気分転換になるからさ。


なんと!泣いていた男の子にタバコを勧めています!
おそるおそる吸ってみることから始まり、最終的には完全な喫煙者となってしまいます。

子供らが非行に手を染める時、それは家の外で起きることが多いかと思います。
この子らの親は家の中で何をしていたのでしょうか?

そして数年経ち、息子らは青年に成長しますが、
その姿と言ったら、見れたものではありません・・・


お酒を飲みながら、タバコを吸う彼ら。
目は死んでいるかのようです・・・

かつての息子(右):や~まじでさ~おまえなしじゃホント何も面白くないよ~

左の男:夜7時に約束場所に来いよな。最高のパーティーに連れてってやるから。

息子:へへへへ~了解。じゃあ後でな。


息子がパーティーに出かけるために忙しくしていると
年老いたお父さんが話しかけてきました。

お父さん:どこに行くんだい?
      薬局から薬を持って来てはくれるのかい?

息子:絶対無理!今から出かけるんだよ。

お父さん:おまえが持って来てくれなかったら、誰がわしに持って来てくれるというんだい?

息子:もー他の人に頼んでくれよ。遅れちゃうじゃないか。俺はもう行きたいんだよ!

お父さん:わしの満足がおまえにあるように(息子に懇願する口調であるが、息子に対する祈りの意味を含む)。お願いだから。

お父さん:パーティー何かに行かず、家にいておくれよ。

お父さんはそう言いながら、息子の肩に手を置きます。
後で、「親の子に対する満足」についてコメント書きますので♪

息子:家にいろって?
   俺は暇じゃないんだよ。
   奉仕が必要なら、老人ホームがちょうどいいよ。
   そこでなら、俺よりもいい仕事をしてくれるだろ。
   もう放っておいてくれ!


息子は暴言を吐いて、出て行ってしまいました…
酷いことを言われたお父さん、とてもつらそうに泣き出してしまいました・・・


そしてアムジャド先生の登場です。

ぼくの尊い兄弟姉妹のみんな。

次の有名な慣用句を知ってるんじゃないかな。

”子を産んで路辺に捨てれば、路辺がその子を育てる”ってね。

残念ながら有名な言葉だし、その言葉の内容の通りのことをする人も多い。

路辺は子を育てる。ここでいうのは地獄に連れて行かれてしまうこともあるってことなんだ。

みんな。アッラーを畏れよう。

君に与えられた糧…つまり子供を、かの慣用句のようにしてはいけない。
責任を放置して彼らを路辺に捨てたりなんかしてはいけない。
路辺は子を育て、地獄に連れて行ってしまうから。

アーイシャ(御満悦あれ)が伝える真正ハディースにこうある。

預言者ムハンマド(平安と祝福あれ)が孫のハサンとフサインにキスしたところ、その場にいたある男が言ったんだ。

「あなたがたは子供らに接吻するのですか。わたしたちはそんなこといたしません。」

ムハンマドさま(平安と祝福あれ)はこうお答えになった。

「慈悲を剥ぎ取られたあなたを私にどうすることが出来ましょう」

または

「慈悲をかけない者は慈悲を受けないだろう」とね。

ほら、見てごらん。

接吻しないだけで彼は、
「慈悲をかけない者は慈悲を受けないだろう」と言われている。

では路辺に子を置き去りにする人間についてはどうだとみんな思うかい?
路辺はその子を育ててしまう。

そんなことしたら、子を間接的に生き埋めにして殺してしまったことになるんだ。

アッラーを畏れよう。

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1.
いかがでしたか?
このお話、息子だけに非があった、と言い切れないと思いませんか。
子供を家の外に追い出したのはお父さんです。
子供をしつけるつもりだったのでしょうが、結果的にしつけるどころか悪い人間になるきっかけをお父さんが作ってしまったのでした。
しつけは大切だと思います。
しかし、子供の行動範囲を親の目に見えるところまでに制限しておくことは思いのほか大切であることが
このお話からも分かりますね。
自分の子を家の外に出す時、信頼出来る人間と一緒に居させるのなら別ですが。
家の外には危険がいっぱいです。
やはり、子供がある程度成長して、良し悪しの判断が出来るようになるまでは
長時間もの間、監督者なしに外で過ごさせることは危険です。

2.
「ぼくが幼いころ、お父さん、あなたはぼくを放置したから、今度はぼくがお父さんを放置するよ」
と言ったとある男の話を、アル=ガザーリー先生がその著書に載せていたのを思い出しました。
子供はアッラーからの預かり物。
放置せずにきちんと責任を持って育てたいものです。

3.「親の子に対する満足」に対するコメント:
この動画の中でお父さんが息子に、「わしの満足がおまえにあるように」と連呼していますが、
実はこのフレーズ、アラブ圏では「お願いします」といった意味を持つ依頼の言葉として使われているのです。他に、「アッラーがあなたに満足したまいますように」など。
親が自分に満足してくれることは、アッラーに満足していただけることに直結しています。
つまり、親に満足されなければ、アッラーにも満足していただけないということ。
親不幸者がアッラーに認めらる事などけっしてないのです。
気を付けたいものです。

では(^o^)/ 

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