2012年1月13日金曜日

プライドを捨てないで


今回は7話目です。

息子を溺愛するお父さんと、そんなお父さんを信頼している息子のお話です。
内容は下を読んでいってもらえればわかると思います。
どうぞ。
(動画の音声部分の意訳には色を付けておきます。)


心地よさそうなソファの上で、お父さんと息子が仲良くお話中です。

息子:お父さぁん。お父さんの給料ってどのくらいなの?

父:はっはぁ。なんでそんなこと聞くんだい?

息子:だっていつも格好いいおもちゃを買ってきてくれるし、しかもすごくたかそうなんだもん。

父:坊や、気にしなくてもいいんだよ。お父さんは「肩の肉がどこから食べ始められるか知っている(アラブの諺。物知り、事の内容をよく知り得ているという意味)」からね。

息子:どういう意味?

父:えーっとつまりねぇ。お父さんは課長で、偉いってことだよ。だからたくさんお給料をもらえるんだよ。

息子:大人になったら、お父さんみたいに世界一の課長になるよ!

父:はは。そうだな、坊やw。


息子:お母さん。ぼく、すごくお腹がすいたよ。
    今日のご飯は何?

母:お前の大好物を作っておいたわよ。

息子:やったぁ。
   そうだ、だれが一番の成績を取ったと思う?
   ぼくだよ。ほら、成績表もあるよ。
   お母さぁん、お父さんのところに寄ろうよ。
   おどろかせたいなぁ。

母:いいわよ。行きましょうね。


お父さんの職場にて。
座っていると、上司が入ってきました。

父:なんとめでたい!部長がいらっしゃるとは。
  よくお越し下さいました。どうぞどうぞお入りください。

部長:誰でも勤めていれば疲れるものだな。
   アブーアハマド君、窮屈していないだろうね?

父:まったく。
  そちらこそ大変ではございませんか。
  お休みも必要でしょう。

部長:とにかく。今日は君に用があって来たのだよ。
   君にここは相応しくないと思ってね。
   フアード君と交代しないかね。
   それとも今のままでいいかね。

父:お望みのとおりになさってください。
  お決めになったことこそが正答だと思っておりますからね。
  倉庫に行けとおっしゃれば行きますし、いままのままでよいとおっしゃればそれもよいでしょう。
  会社の社長にしてくだってもお引き受けしますよ!
  それは私も私の祖先も夢に見たこともないほどの光栄であります。
  きっと祖父に起きれば、嬉しさのあまり心臓が止まってしまったでしょうね、ははは。

部長:はっはっはっは。
   アブーアハマド君、笑わせてくれるねぇ。
   牧場にいる犬を思い出したよ。
   ボールを投げるとね、どこでも追いかけていくんだよ。
   ある日ね、ボールがゴミ箱に落ちたんだよ。
   そしたらね、なんと顔を突っ込んで、いっしょうけんめいボールを探しているんだよ。
   
二人とも大爆笑w。はっはっはっは・・・


成績を持ってきた息子とお母さんが実は到着していました。

部長:それでねぇ、あとで犬を洗ってあげてねぇ、犬がねぇ、すごい甘えるんだよね。
   まあ私がそういう性格なもんでね。
   甘えてくるやつには優しくしてしまうんだよなぁ。
   ということで、アブーアハマド君、安心なさい。
   今の役職のままでいられるようにしておくから。

父:承知しておりますよw。


息子はお父さんたちの会話を聞いて、泣き出してしまいました。
相当ショックを受けたようです。
そんな様子を知ったお父さんらもギクリ…
自分たちのレベルの低さを知らないわけではないのでした。


息子はお父さんに見せてあげようと思っていた、喜んでもらおうと思っていた成績表を投げ捨てて走り去ってしまいました。

うえ~~~~~ん

お父さんは部長に犬のようになついていて・・・部長が飼っている犬と一緒じゃないか…

お父さんは自分の学歴や職歴といったもので、誇りを持って仕事に就いて、
今の事務所にいるのではなく

部長に示した媚びているから、今の状態(マルカズ・アーリー…仕事におけるいいポジション)にいるんだ。

いっぱいいいお給料もらっている理由がこれなの?!

そんなお父さんはぼくを可愛がっているけれど、きっと部長が犬を可愛がるのと一緒なんだ!

...こんな言葉がきっとこの子の頭の中を巡っていたのではないでしょうか・・・


アムジャド先生の解説が入ります。

親愛なる兄弟姉妹の皆さん。

この世には、自分の尊厳が虐げられてもなんとも思わない人たちが相当いるってことに
同意してくれることだろうと思う。

なんでそんなことしてしまうんだろう?

なんでかというと、得や利益を得るためなんだ。

~~に到達したい、~~を手に入れたい…といった欲望で
自分の行為を正当化するんだ。

現世での実現しないかもしれない利益獲得のために、自分の尊厳を傷つけてしまう。

踏みにじられるってことだ。

自分がそんな目にあうことに満足もしている。

これに勝る方法を君たちに教えてあげよう。

君たちに伝える前に、自分自身に訓戒したいと思う。

天と地の創造主に跪拝(サジダ)することだ。

そうすることで、君の地位は高められ、現世を来世を君の手に握らせてもらえるだろう。

さあ、どっちがいいかな?


2012年1月4日水曜日

”父親”の本当の意味(+アムジャド先生の紹介)


六話目です。
今回は、自己中な息子と、持ち得るものすべてを息子のために犠牲にする準備が出来ているお父さんとの関係を描いたお話です。

投稿の終わりにアムジャド先生の紹介を付けておきます。
本当なら、まず最初に彼がどんな人で何の目的でyoutubeにこのような動画シリーズを掲載するに至ったかを説明する必要がありました…失礼いたしました。

では、動画の解説をどうぞ。

~~~~~~~~~~~~~~~

居間でお父さんと息子が会話をしています。

父:おい。おまえ、明日休みだったな。

息子:あっ...う~ん。そうだよ。


父:明日の朝、店の手伝いをしてもらいたいんだ。ダンボールの片付けがあってね。

息子:絶対無理!休みの日は寝ようと思ってるのにー。

父:ダンボールが重くてな・・・一緒に倉庫へ運んでもらいたいんだよ。わし一人では出来ない。

息子:ほかの人に頼んでくれよ。俺は朝起きれないな。

父:背中が痛くなるじゃないか。一緒に手伝ってくれるだけでいいんだ。
  それに寝たいんだったら、朝10時に行こう。少しは寝れるだろう?

息子:ラーイラーハイッラッラー!(呆れた意味を含む)
   まだ言ってるよ。俺のことは忘れて。ダンボールを詰めて、運んでとか言って俺の生活を止めちゃうわけ?

父:なんだこの無礼な態度は!一人じゃ出来ないからただ手伝ってくれと頼んだだけじゃないか。

息子:小さい子を叱るように俺に怒鳴りつけるわけ?
    こんな生活にはもううんざりだ。死んだほうがマシ!


お父さんとの口論の後...
息子が居間で両親が何やら話しているのを耳にします。


母:洗濯機を売って、前みたいにお義兄さんからお金を借りたらいいじゃない。

父:どうだろう…今集めた金も、兄貴から借りたものだしな…
  店の中にあるオフィスを売らないといけないかもな。
  それで入るお金で支払いを済ませようと思う。

母:でもそのオフィスはあなたがお義父さんから継いだものでしょう?
  お義父さんもそのお父様からお継ぎになった。
  それにあなた、あの場所が好きなじゃい。

父:すべて大学の授業料のためなんだよ。
  どんな手を使っても準備するつもりだ。

母:そんなことしなくても…勉強を一年延せばいいじゃないの。
  仕事を手伝ってもらって、お金を稼げばいいと思うわ。

父:息子の勉強だけは譲れないな。
  今まで、なんとか授業料を払ってきたんだ。
  あの子には大学を卒業してもらいたい。
  もう二度とこの話をするんじゃないよ。


部屋の外でやりとりを偶然聞いた息子はショックを受けます。

そしてすぐにお父さんのところへ走っていくのでした・・・


息子:おとうさーん!許してください...
    お父さん、アッラーがお父さんを俺のそばにおいてくださりますように。
   (手の甲に接吻…リスペクトの表示方法)

父:アッラーがおまえに満足してくださりますように。

アニメは以上で終わりで、次に先生の解説が続きます。


親愛なる兄弟。

たくさんの人、特に青年の多くが、
お父さんの内側が焦げただれているのに気づいていない。

夜は眠れずに、君の将来のことを心配して考えている。

大学の授業料のことを。

君が大学に持っていくお小遣いや、かばん、スポーツの服...

お父さんは君に与えることが出来ず、
またそんな姿を君に見せることもできず、

夜眠れずにいるんだ。

自分のお父さんがこういうタイプであることに気づいている若者ってどのくらいいるだろうか?

「しらないよ、そんなこと聞いてないよ」
と君は言うかもしれない。

そうだね。

でももしかすると、多くのお父さんが自分の気持ちを表現できないのかもしれない。

学識がないのかもしれないし、

今までにこんな経験をしたことがなくて、男として表現できないのかもしれない。

「どうして~~してくれないの、どうして~~するの」と言った口調でお父さんと話すことが
親不孝な行為であることを知っておくように。

お母さんに孝行することにぼくたちは気を配りがちでお父さんを忘れてしまっていないだろうか。

預言者さま(平安と祝福あれ)が次のようにかの教友に言われたことを忘れてはいけないよ。

「君のお母さんを、お母さんを、お母さんを。そしてお父さんを大切に」

アッラーを畏れよう。

もしかすると君たちは「父親」にならない限り、僕の言っていることが理解できないかもしれない。

夜ふかしをして、君の大学の授業料をどう払おうかと悩む意味をね。

今から気を付けるんだ。

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う~~~ん。考えさせられるお話ですね…(´;ω;`)
お父さんにもたくさんのありがとうを伝えなければならないですね…
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以下、アムジャド先生の紹介です♬


ウィキペディアを参考にしました。残念ながら先生のオフィシャルサイトはウイルスに感染している模様なので開けないように。)

名前:アムジャド・クールシャ(أمجد القورشة)

シャリーア学部の博士。ヨルダン大学の教師。バーミンガム大学にて比較宗教などを専攻。
ヨルダン社会の特に若者層に大きな影響を与えた人物。
国内の腐敗を改善するために立ち上げたキャンペーンが有名で、中庸の考えを持つイスラーム宣教師ともとらえられている。
youtube上にもプログラムを持っている→ www.youtube.com/user/EhsebhaSah